こんにちは!いやあ、連日暑くて嫌になっちゃいますね。噂では桐生では40℃越えを記録したとか。かつて出張で一ヶ月ほど桐生に滞在していた身としては、夏じゃなくてよかったなと思うばかりです。まぁ、あの時はあの時で大雪降ったりしていろいろ大変だったのですが。
そんな猛暑の中、気分だけでも涼しくなろうということで、社内イベントとして避暑を兼ねて軽井沢に一泊二日のBBQに行った時のレポートを書いていこうと思います。「避暑」と言えば軽井沢というのは、本邦において古より語り継がれてきた鉄板のイメージではありますが、北海道でさえ30℃に達するここ数年の常軌を逸した酷暑を鑑みるに、私の心の中に住む主婦も「でも、お暑いんでしょう?」という懐疑的な視線を向けていました。そう、このBBQはただのBBQにあらず。果たして軽井沢とは本当に避暑地なのか。長年曖昧に信じられてきた巷説を検証するべく、我々フルスイング株式会社は現地へと飛んだのです。
今回のBBQもありがたいことに平日開催だったため、先に現地入りする先遣隊と、仕事をしてから現地に向かう後発組に分かれて軽井沢を目指します。私は先遣隊として食材の買い出しとBBQの下準備を担当したのですが、軽井沢に着く瞬間を狙いすましたかのごとく降り注ぐバケツをひっくり返したかのような豪雨。さすがは社内イベントの度に雨を呼ぶ弊社の面目躍如といったところでしょうか。ふと脇を見れば、なだらかな坂道を百年前から流れていたかのような顔をして濁流が走っており、もう笑うしかありません。平日にBBQをしようなどとという神をも恐れぬ所業に天罰が下ったのかもしれないという考えも頭を過る中、一瞬の晴れ間を縫うように一条の虹が。これはまさしく吉兆。ここから先はきっと全てがうまくいくに違いない。そんな湧き上がる期待を胸にスーパーに到着し買い物を楽しんでいると、今度は店内にまで響く激しい雨音と雷鳴が。なるほど、上げて落とす感じね。びしょびしょになりながら車に食材を積み込み、一路会場であるコテージへ。
またこのコテージがすごいんです。当たり前のように薪ストーブがあり、部屋は屋根裏も含めて五つほど、広々としたアイランドキッチンにウッドデッキ、そして吹き抜けの天井にはシーリングファン。実際このシーリングファンは個人的に相当ポイントが高いですよ。どれほどの効能があるのかはわかりませんが、金持ちの友達の家の天井には大体これがついていましたから。そう、シーリングファンとは、経済的豊かさの象徴なのです。服と共にずぶぬれになっていた心まで乾かしてくれるようでした。


さて、一通り感動し終えたところで、食材の準備に取り掛かります。サラダ作りと串打ちです。今回は単なる屋外鉄板焼きに成り下がった昨今の量産型BBQに対するアンチテーゼとして、「最もBBQらしいBBQを」を隠れコンセプトに、BBQ用の串を発注するところから始めました。熱海への社員旅行や、屋形船からの花見、そして今回の軽井沢での避暑といったように、コストを度外視してでも定式へとこだわるスタンスは、弊社のカラーでもあります。全てが準備されていてあとは焼くだけという例年のVIP待遇も悪くないですが、今年のBBQは「俺が、俺たちがBBQだ!」という充実感がありましたね。

そうこうしているうちに後発組も会場入りを果たし、いよいよメインイベントであるBBQが開幕。今回のメインは社長肝入りの、顔の大きさほどある大きさのトマホークステーキ。昨年館山の道の駅で売られているのを見かけた時は、こんな酔狂なもん誰が買うねんなどと思っていましたが、普通に弊社でしたね。他にも特上のカルビやハラミ、鮎にエビ、ホタテなんかも焼いたりして、各々歓談を交えつつ、軽井沢の味覚に舌鼓を打ちました。何度でも言いますが、これで「平日」です。神様と社長にありがとう。ここにきてようやく虹の伏線を回収できたような気がします。


BBQのあとはデザートのスイカや夜食の燻製を食べながら、思い思いに自由時間を過ごします。本当は元天文部社員による解説付きの天体観測を実施するつもりで一週間前から天体望遠鏡をレンタルしていたのですが、空一面に分厚い雲がかかっていたため断念。危うく本当に見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込むところでした。数日前にプレイベントとして錦糸町で月面観測を実施していたので、完全に無駄になることはありませんでしたが(なぜよりによって都内でも有数の不夜城、錦糸町で観測しようとしたのかというツッコミはさておき)、来年こそはジンクスを打ち破ってリベンジを果たしたいですね。
気付けばあっという間に寝る時間。部屋数的に殆ど一人一部屋使えるだけの余裕があったので、迷わず屋根裏部屋を選択しました。トイレへは階段を使わないと行けないし、天井は低くて頭はぶつけるしで、利便性を考えれば真っ先に選択肢から外れるはずですが、ロマンとはいつだってそんな合理性の外にあります。「軽井沢の屋根裏で寝た」というエクスぺリエンスの"強さ"に比べればこの程度のコストは安いものでしょう。そんな屋根裏で一人、今日一日の美味しく楽しい時間を反芻しながら、眠りに落ちました。
そして朝6時、目覚めて外に出てみれば、少し肌寒ささえ感じる空気と、朝もやの向こうに霞む木立ちと鳥の囀り。概念、あまりにも概念過ぎる朝。私はこの時心底、軽井沢をどこかで舐めていた過去の己を恥じると共に、内なる主婦の無礼を謝罪しました。認めよう、軽井沢は紛れもなく避暑地であり、概念だったと。
こうして今年も大成功に終わった弊社BBQですが、その成功の裏には全てを一手に担ってくれた立役者がいたことを忘れてはいけません。そう、入社三年目となる社員のO氏です。彼は串の発注から食材の選定、串打ち、鮎のワタ抜き、火の管理にデザートの作成、夜食の燻製そして朝食の用意まで、"食"にまつわる全てを引き受けてくれました。それどころか前日には車で食べるおやつにとスコーンを焼いて配ってくれたりと、まさに至れり尽くせりです。しかも昨年の忘年会では豊洲で買い付けた魚を捌いて寿司を握っていたというのですから、もはや本業が何なのかわかりません。彼の存在無くして、弊社の社内イベントは始まらないと言っても過言ではないでしょう。いつもありがとう。果たして次は何をやってくれるのか、今から楽しみです。